ヴィッツレースは世代をつなぐ…学生レーサーが語る魅力

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ヴィッツレースに初参戦した丹田誠選手(左)とお父さん(右)
  • ヴィッツレースに初参戦した丹田誠選手(左)とお父さん(右)
  • ヴィッツレースに初参戦した大木隼人選手
  • ヴィッツレース 関東シリーズ第一戦
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  • 大木隼人選手

「GRネッツカップ・ヴィッツレース2014」の開幕戦となった関東シリーズ第1戦、初参加者の中には学生レーサーの姿があった。若者にとってヴィッツレースはどのように見えるのか、その魅力を聞いた。

No.619のヴィッツで参加した、大木隼人選手は20歳の学生。この日の予選では2分19秒033のタイムで予選B組を9位で通過。A組B組が並ぶ決勝レースでは18番グリッドからスタートし、レース中に2つポジションアップして16位でフィニッシュ。初参戦でありながら見事な成績を上げた。

大木選手に、ヴィッツレースを始めたきっかけについて聞くと「ヴィッツレースは、元々父親がやっていたんです。ですが、僕が高校1年生の時にカートを始めたタイミングで、父は参戦を止めてしまいました。僕が免許を取得してから2年目、以前父がヴィッツレースでお世話になっていた人から“(ヴィッツレースを)やってみない?”と言われたんです。父親の協力もあって、参戦することになりました」と明かした。

ヴィッツレースにはどのような魅力があるのか。大木選手の話を聞くと、モータースポーツには、マシンと一体となって走る楽しさと、他車とバトルする楽しさの二通りがあり、ワンメイクであるヴィッツレースには後者の魅力を感じているという。

大木選手は「レースの面白さはカートで走ることによって知りました。今でもカートが大好きでよく乗っているんですが、カートで勝ちにいくには、タイヤは1セット3万円するものを一つの大会で5セット使ったり、エンジンも2時間使用したらピストン交換しなければいけない、という世界なのです」と話す。カートにおけるコスト面の負担は決して少なくないようだ。

「ただ走るのを楽しむという部分では、ダイレクトな操作感覚のカートに魅力を感じていますが、僕自身はプロレーサーになりたいと思っているわけではありません。バトルを楽しむという部分では、ヴィッツレースでもレースの面白さは変わりません」と話した。

決勝レース後に話を聞くと、大木選手は「凄く面白かった。これまでの経験の中で5本の指に入る楽しいレースでした。台数が多いことと、ワンメイクで皆が同じ性能で戦うといった部分が魅力的で、ドライバーの腕が試されるレースだと実感しました」とレースの印象を語り、「もっと練習をして、表彰台を狙いたい」と目標を掲げた。

一方、No.514のヴィッツを走らせる丹田誠選手は18歳の学生だ。公式予選A組では2分21秒823のタイムを出したものの、残念ながら決勝進出はならなかった。

予選終了後、丹田選手に話を聞くと「予選はいいタイムではなかったのですが、うまい人の後ろを走りながらラインを学んだりして、コツを掴んだような気がします。富士スピードウェイのコースは、ゲームの『グランツーリスモ』を使って走り込んできたのですが、クラッチ操作のミスはタイムに大きく影響すること、コーナー全体を見ないと速く走れないなど、ヴァーチャルとリアルでは違う部分を感じました。今後はその辺を極めていきたいですね」と振り返った。

ヴィッツレースを始めたきっかけについては「元々、父がモータースポーツをやっていて、僕も5歳からカートを始めて高校までずっと続けていました。しかし、大学に進学すると、なかなかカートをする時間をみつけることができず、これではカートは続けられないなと思ったんです。そこで父に相談したら、“ずっと続けてきたレース活動を止めるのはもったいない”という話になって、カートと比べれば手軽に参加できるヴィッツレースを始めることになりました」(丹田選手)と明かす。

一緒にいた丹田選手のお父さんにも話を聞くと「カートを続けるには体も大きくなってしまって、免許も取ったので“車のレースを始めてみようか”ということで、金銭的に一番手軽に参加できるヴィッツレースを選びました。普段、この車はお買い物車として使っていて、家にはこの1台しかないのでクラッシュしたら困ってしまうのですが…」と笑顔で話していたのが印象的。

丹田選手は今後の目標について「今日は予選を通過することができませんでしたが、次回はきちんと実力をつけて、決勝を楽しみたいですね」と話した。

学生レーサーの二人は、共に父親の勧めとバックアップのもと参戦していることがわかった。モータースポーツ活動を続けるのには金銭的な負担も少なくないが、父親自身が、サーキットを走る楽しさを知っているだけに息子の応援にも力が入る。レースの根源的な楽しさを手軽に楽しむことができ、世代をつないで行く。これこそが、ヴィッツレースの醍醐味だと言えそうだ。

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