国際協力銀行(JBIC)は28日、2件の米国でのシェールオイル・ガス権益取得・開発事業に融資すると発表した。
まず1件目は、三井物産の100%出資子会社である米国法人MEPUS Holdings Corporation(MEPUS)との間で契約した1億4400万米ドル限度(JBIC分)とする融資。
2件目は、三井石油開発(MOECO)の100%出資子会社である米国法人MOEX USA Corporation(MOEX)との間で契約した1億3400万米ドル限度(JBIC分)、及びMEPUSが60%、MOEXが40%出資する米国法人MEP Texas Holdings LLC(MEPTXHD)との間で契約した総額5億400万米ドル限度(JBIC分)の融資。
今回の融資は、MEPTXHDの100%出資子会社である米国法人Mitsui E&P Texas LPが、同国テキサス州のイーグルフォード・シェールオイル・ガス鉱区の権益12.5%を米国法人SM Energy Companyから取得し、同鉱区を開発するために必要な資金を融資する。
この事業は、天然ガスに加え、付加価値の高い軽質原油を生産する計画があり、三井物産及びMOECOにとって、同国ペンシルバニア州のマーセラス・シェールガスに続く米国でのシェールプロジェクトになる。
シェールオイル・ガスは、頁岩(けつがん)層内に貯留された原油・天然ガスであり、北米や欧州、豪州等地球上の広い地域に賦存していることが確認されている。
本事業を通じて日本企業がシェールオイル・ガスの上流権益を取得し、開発に関するノウハウを取得することは、今後の海外でのシェールオイル・ガス事業への日本企業の参画機会拡大を通じた日本企業の自主開発比率の向上により、日本のエネルギー安全保障にも貢献するものと期待される。