3月末、三菱のスポーツカー『ランサーエボリューション』の生産終了が報道された。1992年の初代登場から20年あまり。WRC制覇など輝かしい足跡を残したランエボの歩みを写真で紹介する。
ランエボIXの登場から遅れること半年、同車をベースに『ランサーワゴン』のボディパネルやルーフパネルを結合させワゴンモデル『ランサーエボリューションワゴン』が2005年9月にデビューした。
同車の特徴は何と言っても、ランエボ譲りの運動性能にワゴンボディならではのユーティリティを融合させた点。一般的にはセダンよりも剛性面で不利とされるワゴンボディを採用するため、リア周りを重点的に補強。4G63型2リットルターボエンジンの発生するパワーに対応できる高剛性なボディを手に入れた。
具体的には、各ピラー部分の結合を強化し、大型のリアフロアクロスメンバーを追加。さらにリアフロアとリアのホイールハウス、ボディサイドストラクチャーとの結合を強化し捻り剛性を高めている。さらにリアフロアとリアエンドパネル、Dピラー下部との結合部にも補強材を追加し、テールゲート開口部には50点あまりのスポット溶接打ちが施された。
ワゴンボディの魅力ともいえるラゲッジスペースは5名乗車時で530リットルを確保。ベースの『ランサーワゴン』比では約10%容積が小さいが、全天候型高性能4WDワゴンとして考えれば十分に実用的なサイズだ。ラゲッジアンダートレイやトノカバーなど、使い勝手にも配慮されている。
グレードは「GT」と「GT-A」の2種類。いずれも伝統の4G63型だが、グレード(ミッション)により異なるチューニングのユニットが搭載される。6MTと組み合わされるGTはIXと同様の可変バルブタイミング機構「MIVEC」を持つ最高出力280PS/最大トルク40.0kgmを発生する高性能版。一方のGT-A(5AT)はVII GT-Aと同様、MIVEC無しの最高出力272PS/最大トルク35.0kgmのエンジンが搭載されている。
ランエボ自慢の4WDシステムは、センターデフのACD(アクティブ・センター・ディファレンシャル)と機械式LSDで構成され、AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)は搭載されない。
エクステリアでは、GT-Aのフロントナンバープレートが中央に配置される。これは、GTのナンバープレート位置ではATクーラーに風が当たらないためであり、ATを搭載したGT-Aグレードのアイコンになっている。