ソユーズ宇宙船 若田光一コマンダーの待つ国際宇宙ステーション ドッキングに遅れ

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ソユーズ宇宙船に搭乗する第39次長期滞在クルー、アレクサンドル・スクボルソフ宇宙飛行士、オレッグ・アルテミエフ宇宙飛行士、スティーブン・スワンソン宇宙飛行士
  • ソユーズ宇宙船に搭乗する第39次長期滞在クルー、アレクサンドル・スクボルソフ宇宙飛行士、オレッグ・アルテミエフ宇宙飛行士、スティーブン・スワンソン宇宙飛行士
  • リック・マストラッキオ宇宙飛行士がISSから撮影した、ソユーズ TMA-12Mの打ち上げの様子。

2014年3月26日、NASAは国際宇宙ステーション(ISS)第39/40次クルー3人が搭乗したソユーズ宇宙船「TMA-12M」のISS到着、ドッキングが当初予定より2日遅くなると発表した。

ロシア宇宙庁の宇宙飛行士、ソユーズコマンダーのアレクサンダー・スクボルソフ宇宙飛行士とフライトエンジニアのオレッグ・アルテミエフ宇宙飛行士、NASAのスティーブン・スワンソン宇宙飛行士が搭乗するソユーズ TMA-12Mは、アメリカ東部時間3月25日火曜日 午後11時5分(日本時間26日午前12時5分)にISSに到着し、ロシアモジュール「ズヴェズダ」上部の「ポイスク」にドッキングする予定だった。

しかし、ソユーズ宇宙船の3番目のスラスター燃焼が正常に行われなかったために予定を延期。当初およそ6時間を予定していたISSまでの到着時間を延長し、2日かけて到着後にドッキングする方式に切り替えた。新しい到着時間は、3月27日木曜日 午後7時58分(日本時間28日午前8時58分)になる予定だ。スラスター燃焼の不具合については、モスクワ・ミッションコントロールセンターのフライトコントローラーがデータを検証している。モスクワと米ヒューストン・NASAの交信では、ソユーズ宇宙船がスラスター燃焼に必要な高度または姿勢に到達しなかったための問題ではないかと指摘されているという。

ソユーズ宇宙船が地球を34周回し2日かけてISSに接近、3日目にドッキングする方式は、2012年まで行われていた旧方式になる。2013年12月19日に打ち上げられたソユーズ TMA-08からは、周回数は4回、打ち上げから約6時間とドッキングまでの時間を大幅に短縮し、打ち上げ当日にISSに搭乗できる方式が採用された。体の動きや姿勢が制限される狭いソユーズ搭乗時の宇宙飛行士の負担を軽減し、生物関連の実験試料などを運搬しやすくするためだ。2013年11月にソユーズ TMA-11Mに搭乗したJAXAの若田光一宇宙飛行士も、この方式で短時間でISSに到着している。トラブルなどが発生した場合には従来の方式に切り替えることも可能で、今回はその措置が取られたものだ。

ISSでは、第38次/39次長期滞在クルーでコマンダーを務めるJAXAの若田光一宇宙飛行士、NASAのリック・マストラッキオ宇宙飛行士、ロシア宇宙庁のミハイル・チューリン宇宙飛行士が新しいクルーを迎える準備を進めている。3月9日に日本人初のISSコマンダーに就任した若田宇宙飛行士は、新クルー到着まで3人で滞在中のISSを「やや静か」とコメントしたが、あと2日だけその静かな日が続くこととなった。

《秋山 文野》

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