【VW e-モビリティウィークス Vol.2】e-ゴルフは"現代のT型フォード"か

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フォルクスワーゲン・eゴルフ
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独ベルリンで開催されているe-モビリティウィークスは、フォルクスワーゲン(VW)主催による電気自動車(EV)の訴求イベントだ。”electirified!(電化せよ!)”というスローガンの下、同社が考えるEVの姿を提案する。イベントの中心となるのは『e-ゴルフ』だ。

◆EVはアーリーステージからミドルステージへ

e-ゴルフの登場は、まさにEVの歴史をミドルステージへと移行させることを期待させる。自動車(ガソリン車)の歴史を見た時、カール・ベンツが1886年に『パテント・モトールヴァーゲン』を発表したのを嚆矢として、アーリーステージ(黎明期)の開始と言える。その後、いくつかの企業から自動車が発売されたが、あくまで富裕層などだけに限られた「特別なもの」だった。

自動車をミドルステージ(繁栄期)へと推し進めたのは言うまでもなくフォード『モデルT(T型フォード)』だ。1908年に発売を開始して以来、1927年までに1500万台超が生産された。モデルTの登場にともない、1909年には13万1000台であった米国の自動車生産台数は、1913年には48万5000台に、1923年には403万台に急増した。フォード成功の要因は、組立ラインの導入による大量生産および価格の大衆化にある。

次世代自動車振興センターによると、日本国内におけるEV/PHVの保有台数は2013年で5万6000台となっている。前年200%超の伸長率ではあるものの、自動車全体の保有台数から見ると微々たるものである。政府は2020年時点でのEV/PHV保有台数目標を、新車販売台数の15-20%としているが、2013年が1%強であることを考えると決して楽な数字ではない。

EVの普及には生産能力の確保も求められるが、VWはその点は強みがある。e-ゴルフの生産は、「モジュラー・トランスバース・マトリックス(MQB:ドイツ語でModularen QuerBaukasten)」と呼ばれる極度に効率化された生産方式を介して行われる。これを活用することで、現在は日産40台程度のe-ゴルフも、工場新設の必要なく、将来の需要増に合わせて既存ラインを転用しての増産が可能だ。また、EVの「キモ」であるバッテリーセルもパナソニックから安定供給される。

EVをミドルステージへと引き上げるためには、何らかのエポックメイキングな1台が必要不可欠だ。e-ゴルフは現代のモデルTになれる可能性を十分に持っている。そして、VW自身もe-ゴルフを「EV大量生産への道を切り拓く」と謳っている。

《瓜生洋明》

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