国立天文台の研究チームは、すばる望遠鏡を使って、29個の合体銀河の高解像度赤外線観測を実施し、合体銀河中の超巨大ブラックホールの活性化が、ごく周辺のガスの運動などによって決まる「個性」があることを示唆する結果を得たと発表した。
観測の結果、観測したほぼすべての合体銀河で、少なくとも一つの超巨大ブラックホールが大量の物質を飲み込んで活性化され、明るく輝いていることが分かった。
一方で、合体銀河は複数の超巨大ブラックホールを持つと考えられるにものの、明るく輝く超巨大ブラックホールが複数検出された銀河の割合は、約15%しかないことも分かった。
これらの結果から、研究チームでは、合体銀河中の超巨大ブラックホールの活性化は、ごく周辺のガスの運動などによって決まっていて「個性」があると推定。
今後、合体銀河で超巨大ブラックホールの活動性の解明が、観測・理論研究の両面から期待されるとしている。
今回の研究成果は、1月に発行された米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」誌に掲載された。