アルマ望遠鏡、最も若い原始惑星系円盤を発見…国立天文台

宇宙 科学
VLA1623Aの想像図。中心の赤ちゃん星の周囲にケプラー回転する円盤があり、原始星の両極方向には勢いよくガスが噴き出している。( N. Murillo et al. )
  • VLA1623Aの想像図。中心の赤ちゃん星の周囲にケプラー回転する円盤があり、原始星の両極方向には勢いよくガスが噴き出している。( N. Murillo et al. )

ドイツ・マックスプランク地球外物理学研究所のナディア・ムリリョ氏と台湾・国立精華大学のライ・シーピン氏らが率いる研究グループは、アルマ望遠鏡を使って、これまで見つかっている中で最も若い原始惑星系円盤を発見した。

国立天文台が発表した。

この原始惑星系円盤は、これまでの多くの理論研究で示唆されていたよりも若い段階の星のまわりで発見された。

研究グループは、アルマ望遠鏡を使って、へびつかい座の星形成領域にある生まれたばかりの星「VLA1623」を観測した。「VLA1623」は、生まれたばかりの星が3つ連なった3連星で、星の母体となった大量のガスに覆われている。

今回の観測では、3連星のひとつ「VLA1623A」の周囲にあるガスと固体微粒子の円盤がターゲットになった。アルマ望遠鏡の高い解像度と感度によって、研究グループは「VLA1623A」の円盤の構造をこれまでにないほど詳細に調べることができた。

この結果、円盤に含まれる物質がケプラー回転をしており、その円盤は、海王星軌道の約5倍のところまで広がっていることが分かった。しかし、中心の「VLA1623A」自体は、太陽の20%の質量しかない。このことは、「VLA1623A」がまだ成長中の、非常に若い段階にあることを示している。

《レスポンス編集部》

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