再使用型宇宙船ドリームチェイサー、2016年に初の軌道飛行

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再使用型宇宙船ドリームチェイサー、2016年に初の軌道飛行
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2014年1月23日、シエラ・ネバダ・コーポレーション(SNC)は同社の再使用型のリフティングボディ宇宙船『Dream Chaser(ドリームチェイサー)』が2016年の11月1日に初の無人試験軌道飛行を行うと発表した。

SNCはNASAとケネディ宇宙センターを打ち上げに使用する契約を結び、低軌道までのドリームチェイサーの打上げは、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス ULAが運用するアトラス Vロケットで行う。着陸には、NASAが2011年までスペースシャトルの着陸施設として利用していたフロリダ州メリット島のシャトル着陸施設(SLF)を使用する。約5.6キロメートルの滑走路を持つSLFを運用するスペースフロリダとSNCは、ドリームチェイサーの着陸に備えて条件を決める交渉を行うという。

ドリームチェイサーはケネディ宇宙センターでジェミニ計画、アポロ計画の時代から宇宙機の点検に使用されてきたO&C棟(運用・点検棟)を使用する。O&C棟は現在はロッキード・マーチンがNASAの有人宇宙船「Orion(オライオン)」開発のために使用している。今後は、同施設をドリームチェイサーとオライオンとで共有することになる。

ドリームチェイサーは、NASAのラングレー研究所が開発したHL-20をベースとした再使用型宇宙船。地球低軌道まで7人の乗員を輸送できる。現在開発が進められている有人宇宙船にはカプセル型が多い中、ドリームチェイサーはスペースシャトルと共通するリフティングボディを採用しており、輸送能力の高さからも注目されている。2013年には、低軌道への商用有人輸送に向けた一連の試験を完了し、NASAの商業有人宇宙輸送プログラムCCDev2契約に要求される全試験を達成している。

《秋山 文野》

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