『ポロ』から『パサート』まで開発可能なモジュールボディ構造を取ることで開発コストの軽減を図りながら、極めて完成度の高い、素晴らしい操縦性と操縦安定性を備えたクルマを作り上げた点を高く評価した。
Cセグメントと呼ばれるこのクラスは、多くのメーカーが参入し、しのぎを削っている。そんな激戦区にあって、『ゴルフ』の操縦性はきわめて正確かつ素直。平たく言えば、癖がなく、思い通りにまっすぐ走りかつ曲がってくれる、誰にでも乗りやすいクルマに仕上がっている。コストダウンを図りながらこれだけの性能を実現することができたのは驚くべきことだと思う。
それを実現するためのキーポイントとなった技術がMQBボディというモジュールボディ構造。ボディを各セクションごとにモジュール化することで、多くの車種に互換性を持たせることでトータルとしてのコストダウンを図っているのだという。ゴルフに乗る限り、コストを抑えても、品質を落とさないためのアイデア(発明)ともいえる。
VW『ゴルフ』:10点
マツダ『アテンザ』:5点
三菱『アウトランダー PHEV』:5点
ホンダ『フィット』:3点
ボルボ『V40』:2点
斎藤聡|モータージャーナリスト
特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。