私は日本カー・オブ・ザ・イヤーの意義を、一般ユーザーのクルマ選びの参考に資することにあると位置づけている。このことから、カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれるべきクルマは“小さくて、軽くて、燃費が良くて、安い”クルマと考える。その上で、室内が広くて、満足すべき質感を備え、静かで快適な走りが得られるなら、なおのこと良い。もちろん、今の時代に求められる安全性能を備えることや、環境性能を確保することなどは、上記の各要件を満たす前の当然の大前提である。こうした観点から今年の10ベストに選ばれた10台を見ると、私の求める基準を最もバランス良く満たしていたのがフォルクスワーゲン『ゴルフ』であった。なお、イノベーション部門賞はメルセデス・ベンツ『Sクラス』と三菱『アウトランダーPHEV』に配分し、エモーショナル部門賞はボルボ『V40』とマツダ『アテンザ』に配分した。スモールモビリティ部門賞は白票を投じた。スモールモビリティ部門賞に持ち点を投じなかった理由はこの賞に賛同できないからだ。軽自動車は登録車と分けて別に評価されるべきではなく、輸入を含めた登録車と同じレベルで評価されるべきだ。この賞を設けることは、軽自動車が10ベストに、ひいては日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれにくくなることにつながる。現に今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、新車販売の40%を占める軽自動車が1台も10ベストに残らなかった。来年の日本カー・オブ・ザ・イヤーではこの部門賞が廃止されていること強く望む。VW『ゴルフ』:10点ホンダ『フィット』:5点ボルボ『V40』:5点トヨタ『クラウン』:3点三菱『アウトランダーPHEV』:2点松下宏|自動車評論家1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。
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