訪日外国人が過去最高の2013年を上回る見通し、国内旅行人数・海外旅行人数ともプラスを予想…2014年JTB旅行動向見通し

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JTBは、2014年の旅行市場についての見通し調査結果をまとめた。

調査は、ビジネス・帰省を含む、1泊以上の日本人の旅行と訪日外国人について、各種経済動向予測、旅行消費者購買行動調査、観光関連動向などから推計したもので、1981年の調査開始以来、今回が34回目となる。

2014年の国内旅行人数は2億9150万人で前年比0.2%増、国内旅行消費額は10兆3900億円、同5.3%増と推計する。旅行人数、消費額ともに2008年のリーマンショック後では最も高い値となる見込み。

連休の日並びをみると、週末3連休の回数が前年より1回減少する。ゴールンウィークは前半と後半の間に3日間の平日が挟まることから、比較的近場で動くことが予想される。

消費増税後の落ち込みは懸念されるものの、LCC(格安航空会社)の浸透や素泊まりなど、旅行の仕方の選択肢が広がっていることもあり、LCCを利用して安く現地まで行き、豪華に泊まる、ビジネスホテルや素泊まりの宿を利用し、高級料亭で食事を楽しむ、といったようにメリハリをつけた旅行を楽しむ動きが広がりそうと予想する。

平均消費額は、同5.0%増の3万5640円を予想する。消費増税や円安、原油高などの影響、旅行意欲の高いシニアを中心とした、安いだけではなく、自分の心を充足させられる質の高い旅行を求める動きを背景に、上昇する見込み。

また、海外旅行人数は1780万人、同2.1%増、海外旅行消費額は4兆8700億円、同5.2%増と推計する。LCCを含めて航空座席数が増加傾向にあること、近隣諸国との関係が昨年より落ち着きつつあること、シニアを中心に旅行意欲が底堅いことから、回復を見込む。

ただ、訪日外国人数の増加が引き続き見込まれ、座席供給量のバランスを考えれば増加幅は小さいと予想する。平均消費額は、ヨーロッパ方面やハワイ、東南アジアなど中長距離が昨年に引き続き人気と見込まれることから、同3.0%増の27万3600円と上昇を予測する。

一方、訪日外国人数は1180万人、同14.3%増と過去最高を推計する。訪日旅行の人気の高さ、緩やかな円安調に支えられ、過去最高の2013年から更なる増加を見込む。

国際関係の悪化により2012年の後半から2013年は、中国からの観光客が大きく減少していたが、2013年後半には回復の兆しもでてきた。

2014年は円安傾向が続くことが見込まれることに加え、富士山や和食が世界遺産に登録されるなど、日本への関心が高まっていることから、引き続き上昇を予想する。

国別にみると、韓国からの観光客については東日本大震災からの回復が遅れていたものの、2013年には大震災前のレベルまで戻っている。台湾や、タイ、シンガポールなど、中国、韓国以外のアジアからの訪問者数は順調な伸びを見せている。欧米からの訪日も経済の回復とともに増加してきている。

2014年は、韓国は前年並みとなるものの、中国の回復、台湾、香港などの訪日が延びると予測する。東南アジアについても、昨年のビザ免除・緩和ほどではないものの、引き続き増加すると予測する。

《レスポンス編集部》

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