新車種だった『イヴォーク』が感覚の水先案内人の役を果たしていたせいか、新しい『レンジローバー・スポーツ』のスタイルは、初対面でも違和感はまったくなかった。現行レンジローバーに対しホイールベースは同じだが全長が150mm短く、全高が65mm低いという。
傾斜を強めたフロントスクリーン越しに見える、クラムシェルボンネット先端左右のカドが落とされているのがスポーツの特徴。インパネ、コンソール部のデザインも専用。だが低めのベルトラインとドアトリム上面にパワーウインドスイッチが設けてあるなどは、紛れもなく“レンジの一員”だ。シートは前後ともクッションがやや硬めの、ホールド感が重視されたタイプだ。
試乗車は3リットルのV6スーパーチャージャー(340ps/450Nm)を搭載。8速ATとの組み合わせで、2250kgのボディをハミングしながら軽快に走らせる。初代の頃は低速の理不尽な硬さが気になった乗り味はもはや洗練されたものへと生まれ変わり、さらに、オンロードの屈曲路を『イヴォーク』のようなスムースさで駆け抜けてくれるのは驚きだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。