悩みの種はやはり、『ゴルフ』と『フィット』のどちらに10点をつけるかでした。どちらも力のあるモデルで、ゴルフは欧州代表、フィットは日本代表という印象です。
フィットの減点要素となったのは、ファンの期待がもっとも大きく、実際に売れているハイブリッドモデルの熟成不足。新技術で挑んだ点に「ホンダらしさ」を感じますが、低速域のギクシャク感については早い対策が望まれます。
逆に、ゴルフは隙のないクルマづくりに圧倒される思い。MQBという革新のクルマづくりを導入し、のっけからこれだけの完成度を見せつけるVWグループの力量は凄い!ゴルフ7はまさに選んで間違いのない1台で、新しいゴルフ伝説がここからはじまることでしょう。
でも、最終得点は想像以上に差がつきました。登録車に占める輸入車のシェアがじわじわと拡大し、今年、輸入車がイヤーカーに選出されたことで、日本のクルマ界も何かが変わるはず。日本勢のいい刺激になることを期待したいですね。
森野恭行|カーレポーター
生来のクルマ好きで、スモールカーから高級サルーン、高性能スポーツカー、はたまた2~3t積みトラックまで、機会があればどんなクルマでもとことん試乗。クルマの個性や魅力、そして開発者が担当モデルにこめた情熱などを、新車紹介や試乗インプレッションなどを通してわかりやすく伝えることを信条とする。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。1963年生まれ。