とにかく“乗用車”として、ドイツ勢、奇しくもコンパクトカー(VW『ゴルフ』)とラグジュアリィビッグサルーン(メルセデスベンツ『Sクラス』)という両極の二台の完成度が抜きん出て高かった。両極をきわめたことで、ドイツブランドのクルマ作りに対する姿勢は、今後より一層、世界中の自動車メーカーの指針となっていくに違いない。10ベストの結果を全面的に受け入れたうえで、そのハードのデキのよさだけを評価すると、Sクラスとゴルフの評価はほぼ横一線で、どちらが10点でもおかしくなかったけれども、最新テクノロジーのショールームでありかつ走り以外にも衝撃を受けた(インテリアデザインなど)ぶんだけ、Sクラスを個人的には今年のベストチョイスとして10点を配した。クルマは人が積極的に関わる機械である。人間を中心とした“運転”というものの本質から目を背けることなく、基本に忠実で、かつ、技術の進化に併せながら時代性のある乗用車を世に送り出すという点で、今、ドイツ車は世界の頂点にあるのだと思う。輸入車が初めて日本のCOTYを獲得した。日本のメーカーとしては、自動車の二十世紀領域であくまでも勝負していくのか、はたまた、もっと違う視点でパーソナルモビリティの未来を探っていくのか。モーターショーを見てもよく分かるとおり、はっきりとその岐路が見えた今年度のカーオブザイヤーだったように思う。来年もまだまだ、ガイシャ勢の進撃は続く。メルセデス・ベンツ『Sクラス』10点『ゴルフ』:9点『フィット』:4点『V40』:1点『アテンザ』1点"西川淳 │ 自動車ライター/編集者産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めること を理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーと いった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパー カー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近 のテーマ。精密機械工学部出身。
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