【東京モーターショー13】ホンダ スポーツ360、わずかに残っていた図面から復刻

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ホンダ・スポーツ360
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  • 《撮影 内田千鶴子
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ホンダは、1962年の第9回全日本自動車ショー(現東京モーターショー)に出展し、自社の4輪事業への第1歩となった『スポーツ360』を復刻し、東京モーターショー13に出展する。

現存していないこのモデルの復刻に際しては、市販化された『S600』をベースに、わずかに残っている図面や、当時の写真等を検証しながら進められた。その図面の中には電気配線図もあったが、経年劣化で汚れ、解読が難しかったうえに、91か所も接続先の記載がなかったと語るのは本田技術研究所ホンダスポーツ360復刻責任者の小林康人氏。そこで、ベースとなったS600の電気配線を解読しながら、スポーツ360の配線図とも照らし合わせ図面化したという。

配線図を解読した結果、「グローブボックスのライトと、エンジンルームの中のフューズボックス用のフューズライトがついていたので忠実に再現した」と話す。

関係者の一人は、「フューズ付近にライトの回路があるのはわかったが、どこにどのよう取り付けられていたのか全くわからなかった」と話す。しかし、「エンジンルームの謎を解こうと写真を見返した時、フューズボックスの上にアイスキャンディーの頭のような部品が写っているのを見つけ、これだ!とわかった。このひらめきは感動でした」とその時の心境を述べる。

このスポーツ360のエンジンがかかったのは2013年3月12日だった。ある担当者は「われらが栃木研究所は2011年3月11日の震災で壊滅的被害を受けた。スポーツ360を復活させるぞ!と頑張り、 偶然だが、3月11日の翌日3月12日にエンジンがかかった光景を見て、 これは、ホンダの復活の狼煙だと思った」とその想いを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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