【WEC 第6戦】アウディの主戦ロッテラー「富士でトヨタに勝って、メーカー王座を決める」

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サンパウロ戦を走るアウディR18 e-tron クワトロ(カーナンバー1)。写真:AUDI AG
  • サンパウロ戦を走るアウディR18 e-tron クワトロ(カーナンバー1)。写真:AUDI AG
  • アウディ1号車の主戦ドライバー、アンドレ・ロッテラー。写真:AUDI AG
  • 2013年のルマン24時間レースのスタート。最前線をアウディ勢が占める。写真:AUDI AG
  • 6月のルマン24時間レースに臨んだ際のアウディ陣営。写真:AUDI AG
  • アウディのLMPプロジェクトリーダー、クリス・レインケ氏。
  • 9月末のスーパーフォーミュラ第6戦でのロッテラー(左)とデュバル。

世界耐久選手権(WEC)の今季第6戦「富士6時間レース」の開幕を翌日に控えた17日、メーカー王座連覇間近のアウディ陣営がプレス懇親会を実施。その席でアンドレ・ロッテラーは、「トヨタに勝利し、ここで王座を決めることが目標」と力強く語った。

2003年から日本のトップカテゴリーで活躍、近年はアウディ・ワークスの主戦ドライバーも務めるなど、まさに獅子奮迅の働きを演じているロッテラー。アウディのスポーツプロトタイプカー(LMP1カー)を駆っては11~12年にルマン24時間レース連覇、昨年は復活新生したWECのLMP1部門マニュファクチャラーズタイトル(メーカー王座)をアウディにもたらし、自身もドライバーズチャンピオンに輝いた。今季もメーカー王座獲得はほぼ確実なところに来ているが、自身のドライバーズタイトル連覇に関しては「難しいね」と日本語で答え、苦笑する。なぜなら、ロッテラー、ブノワ・トレルイエ、マルセル・ファスラーからなる1号車トリオは、僚友の2号車トリオ(ロイック・デュバルら)に33点先行されているからだ。

「ダブルポイントのルマン(優勝が通常の2倍の50点)で、我々1号車には不運(マシントラブルで5位)があったからね。今季はあれが痛かった。この先ロイックたちに何かが起きない限り、逆転するのは難しいだろう」。富士を含めて残り3戦、33点差は苦しい。しかし、メーカー王座獲得を最優先の使命として戦い、さらには許される範囲で同門対決にも真剣勝負で挑む彼ら、誇り高きアウディ・ワークスドライバーの臨戦姿勢に何ら変化はない。「やることは同じ、ベストを尽くし続けることだ」。今回の富士、具体的には「トヨタに勝利してメーカー王座獲得を確定する、それが目標だ」。慣れた手つきで箸を使いながらの談話にも、強い決意が滲む。ロッテラーと組むトレルイエも、「自分たちのドライバーズタイトル連覇は確かに難しい状況にある。でも、あきらめはしないよ」と、僚友2号車トリオに勝ち続けることで奇跡の逆転を引き寄せる構え。

ちなみに今季ここまでアウディR18 e-tron quattroはシリーズ5戦全勝だ(1号車2勝、2号車3勝)。しかし昨年の富士戦ではトヨタTS030 HYBRIDに敗れている。その雪辱を果たして全勝キープ、そして高度に抑制されつつも激しく競い合う同門対決で富士を沸かせた末にメーカー王座連覇確定、という最高のシナリオ実現をアウディは目指すわけだが、戦うのはドライバーのみならず。エンジニアたちの知力攻防もWECの見どころである。

懇親会にロッテラーらと同席したアウディのLMPプロジェクトリーダー、クリス・レインケは「シミュレーターで富士のベースセッティングはもちろん出ている。だが、そのパフォーマンス・ウインドウのなかでファインチューンしていくためには、やはりコース実走行が大切だ」と語った。その意味では初日、18日(金曜)の練習走行から目が離せないことになる。主導権を握るのは1号車か、2号車か、あるいはトヨタ勢か?

注目のWEC第6戦は18~20日に静岡県・富士スピードウェイで開催される。

《遠藤俊幸》

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