AGC(旭硝子)は、中国・旭硝子特種玻璃(蘇州)有限公司(AFS)内に中国での自動車用ガラス第3工場を新設すると発表した。
旭硝子は、AFSにおいて現在稼働している太陽電池用カバーガラスの製造設備を順次停止し、この資産を活用して自動車用ガラス製造工場に事業転換する。今後約45億円を投資し、2015年第1四半期に量産を開始する予定。
同社は1995年に河北省秦皇島の自動車用ガラス会社へ資本参加して以降、2006年には広東省仏山市に工場を設置し、自動車用ガラス事業の強化、充実を図ってきたが、今後の需要増に対応するため、生産能力の拡大が必要となっていた。
一方、太陽電池用カバーガラス市場は、中国内のガラスメーカー各社による過剰設備投資に伴い、急速に販売価格が下落。同社は2012年に米国の太陽電池用カバーガラス専用工場を閉鎖し、さらにフィリピンにおける太陽電池用カバーガラス素板の生産を停止したが、供給過剰による価格低下の状況は改善されず、太陽電池用カバーガラス事業の採算は悪化している。
これらの状況から、同社はAFSの太陽電池用カバーガラス工場を自動車用ガラス工場に事業転換。既存の資産などを有効活用し、自動車用ガラス第3工場を新設する。第3工場は約120万台分/年の自動車用ガラス生産能力を備えており、同工場を加えた同社の中国全体での生産能力は合計約360万台分/年に拡大する。