パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに『オデッセイ』(北米仕様)が出走することが明らかになった。
このオデッセイ、もちろん普通のファミリーバンではなく、アラバマ州にあるホンダマニュファクチャリングの関連業者によって競技用に開発されたもので、500馬力以上(ホンダレーシングデベロップメントによると532馬力)を持つ3.5リッターV6ターボチャージエンジンを搭載したモンスターマシン。ボンネットを開ければ赤いエンジンヘッドと金色のインテークがまぶしく輝く。
この改造版オデッセイ、大パワーに合わせて足回りやボディも強化。レース用サスペンションやブレーキ、ロールケージやアキュラTL生産ラインから提供されたLSD(リミテッド・スリップ・デフ)などのパーツが使用されている。
エクステリアも強烈だ。フェンダーをはみ出すタイヤとホイール、ボンネットの巨大な赤バッジに加えて、グリルにはダークレッドのHマークが鎮座。さながら“オデッセイ タイプR”といったところか。
極めつけはドライバー。先週末に行われたインディカーのデトロイト(レース2)勝者であるサイモン・パジェノーという本気の人選。
なお今年のパイクスは、三菱が『MiEV Evolution II』で増岡浩を起用し、プジョーは『208 T16』でセバスチャン・ローブを出場させる。そしてかつてパイクス6連覇を果たしているモンスター田嶋は『E-RUNNER パイクスピーク スペシャル』を駆り、さらにトヨタもEVレーサーを擁して優勝を狙うなど、例年にも増して話題が豊富だ。これらにオデッセイがどこまで伍していけるか、注目だ。
■ホンダ・パイクスピーク・オデッセイの仕様
エンジン:ホンダJ35(3.5リッター・ターボチャージドV6)
ターボチャージャー:ギャレットGT35R
トランスミッション:6速変速装置
ブレーキ:ブレンボ4ピストン・アルミニウム・キャリパー
サスペンション:H&R競技用ダンパーとスプリング
タイヤ:ミシュラン295/30-19 パイロット・スーパースポーツ