【新聞ウォッチ】売れ過ぎフェラーリ、ブランド堅持に生産抑制

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ラ・フェラーリ(ジュネーブモーターショー13)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2013年5月10日付

●ソニー5期ぶり黒字、3月期14年も増収増益見通し(読売・1面)

●決算発表きょうピーク(読売・11面)

●ルネサス赤字最大の1675億円(読売・12面)

●「ヒヤリ ハット」体験車、日本自動車研究所(読売・39面)

●マツダ新体制、社長に小飼氏、海外販売底上げ図る(朝日・8面)

●GSユアサ、51%減益、リチウムイオン電池不振、前期(日経・9面)

●スズキ、最高益更新、今期純利益12%増、国内軽シェア「30%死守」(日経・9面)

●海外で低コスト加速、マツダ、営業益1500億円目標(日経・11面)

●元ボッシュ日本社長起用、タカタ社長、非創業家で初(日経・13面)

●ミニバイク改善を届け出、ヤマハ発動機(日経・38面)

ひとくちコメント

モーターファンにとって気になる海外のニュースが、マツダの社長交代やソニーの5年ぶり黒字などの大きな記事の陰に隠れてしまうことがある。9日の朝日など一部の夕刊などが報じていたが、イタリアの自動車メーカーである高級車フェラーリの生産を今年は7000台以下に生産抑制するという。

記事によると、同社のモンテゼモロ会長が本社工場で記者会見したもので「売れすぎてはブランドの価値を守れない」というのが生産抑制の理由。フェラーリは2012年は7318台を生産。営業利益は前年比12.1%増で、過去最高の3億5000万ユーロ(455億円)を計上。EU危機のなかでもフェラーリは不況知らずという。

さらに、モンテゼモロ会長は「フェラーリの魅力は、他社を寄せつけない独創性」と述べたうえで、「中国エリアは北米に次ぐ市場」と認めつつも「年に500台も売れては独創的な存在たりえない」と指摘。短期的な販売台数よりブランドの価値維持を優先する姿勢を明確にした、と朝日は伝えている。

4つのタイヤで駆動するクルマにもいろいろある。この日、スズキの鈴木修会長は決算発表の席で「今年は軽自動車を58万台売って、シェア30%を死守したい」と述べたが、軽自動車のような大衆車は量を追わなければ採算が取れない。その鈴木会長だが、以前に「フェラーリは人目にはつくが、軽であろうと、フェラーリであろうと、乗っている人の人格までは変わらない」と語ったことがあった。

話題が品性や人格にまで及ぶと面倒臭いが、量を抑制してまでブランド価値を維持するフェラーリの経営姿勢に対して耳の痛くなる日本の経営者も少なくないだろう。

《福田俊之》

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