ホンダが3月15日に技術発表した2モーター方式のハイブリッド(HV)システムについて、開発責任者の島田裕央・本田技術研究所主任研究委員はトヨタのHVとの特許の関係について「基本的に異なるシステムであり全く問題ない」と語った。
ホンダは従来の1モーター方式に加え、2モーターや3モーター方式を開発しており、2モーターは日本ではまず『アコード』で採用する。両社のシステムは、走行用と発電用にそれぞれのモーターを搭載する点では同じ。
しかし、エンジンとモーターの使い方は微妙に異なっている。ホンダは「HVドライブ」など3モードを使い分けて走行するが、HVドライブの際、エンジンは発電用モーターでの発電のみに動力を使う。一方で「エンジンドライブ」では中高速のクルージング時などで、走行動力のみに使う。
これに対し、トヨタHVは遊星歯車という機構を使ってエンジンと2モーターが、常に最適の効率や動力を求めて働くようにしている。島田主任研究員は、「われわれの方式は走行状況に応じ、エンジンとモーターそれぞれを得意な領域で使うようシステムを構築しており、そこにも違いがある」と説明した。