NASA 、ロボットによる衛星修理・給油テクノロジー、RRMのテストを公開

宇宙 テクノロジー
RRM(動画キャプチャ)
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NASAは2月8日、地球を周回する人工衛星に燃料補給や修理などのサービスを行うRRM(ロボティック・リフューエリング・ミッション)の概要と、様々なテストの様子を紹介したビデオを公開した。

NASAのRRMには、地球を周回する8万マイル毎時という高速環境の下での正確な挙動が問われる。

人口衛星が機械であるからには、燃料を消費し、パーツは摩耗する。RRMは宇宙飛行士に過酷な環境の中でリスクを負わせる代わりに、ロボットによる修理等の作業ができることを実証する。ここには問題が山積している。

NASAは過去何十年に渡り、周回軌道上で機器の修理に取り組んできた。初期の頃にはその作業は主に人間が行なった。1984年にはソーラー・マックス人工衛星を宇宙飛行士が修理して、元の機能を回復させた。

最も有名な周回軌道上の修理は2009年のハッブル宇宙望遠鏡の修理で、その際に10億ドルの装置が新たにオンラインとなった。しかしそれは高価で極端なリスクを伴い、人間の周回軌道上での能力が試されたものだった。これに関しては周辺コスト、分析等に要した費用なども考慮に入れなくてはならない。このミッションの成功は、軌道上での人工衛星の修理の価値を証明することとなり、ハッブル宇宙望遠鏡は現在も機能している。

ロボットは、例えば地上のエンジニアが次に何をするかを検討する間に、特定の箇所を6時間に渡って抑えておくといった、人間に実行させることのできない作業を代わって行うことができる。しかしロボットは完全に宇宙飛行士の仕事を代行することはできない。

またロボットは、作業を代行することで宇宙飛行士の作業時間を減らし、その間に人間は科学実験などの重要な任務を実施することができる。さらに宇宙飛行士が到達できないような場所に移動することもできる。

NASAでは、最後のスペース・シャトルの打ち上げ計画が進行すると共に、ロボットを使用した宇宙空間での取り組みをテストすることに追われているという。

18か月に及ぶ研究とテストによって開発された燃料注入口のキャップをはずし、燃料補給後にキャップを元に戻すといった一見単純な作業も、様々な問題に突き当たった。テストの2日目には、ロボットアームの機能問題に直面し、テストが一時中断された。

しかしチームはその問題を乗り越えて、テスト6日目には地上のミッション・コントロールでモニターを行いながら、周回軌道上で実際にロボットを操作する実験に成功した。

RRMと同様のロボット技術を利用したミッションは、軌道上での燃料補給だけにとどまらず、未来の宇宙におけるビジネスに大きなインパクトを与えることとなる。

《河村兵衛》

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