新潟市がBRT導入計画を発表、当面は専用車線を導入せず

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新潟市が発表したBRTの導入区間。
  • 新潟市が発表したBRTの導入区間。
  • 道路中央車線をバス専用とした韓国・ソウルのBRT。停留場も路面電車のように道路内に設けられている。

新潟市は2月8日、市内中心部への導入が構想されているバス高速輸送システム(Bus Rapid Transit=BRT)について、第1期導入計画を発表した。2014年度末の新潟駅~青山間の暫定開業を目指す。

BRTはバス専用車線の確保や連節バスの導入によって、既存のバスより定時性や輸送力を高めた新しい交通システム。1974年にブラジル南部の都市クリチバに導入されたバスシステムがBRTの第1号とされ、米国やカナダ、英国、中国、韓国、タイなどの都市で普及している。日本では近年、鹿島鉄道跡地やJR気仙沼線など、ローカル線の敷地を転用したバス専用道をBRTと呼ぶ事例が増えているが、新潟市の計画は海外で普及しているBRTに近い。

新潟市の発表によると、新潟駅~古町~新潟市役所~越後線白山駅~青山間を第1期導入区間、新潟駅~鳥屋野潟南部間を第2期導入区間とし、第1期区間では新潟駅~古町間の道路中央部にバス専用車線を設ける。中央専用車線区間のバス停留所も路面電車の停留場と同じタイプとなり、中央専用車線沿いにホームが設けられる。

第1期区間は2014年度末の開業を「第1期暫定型」と位置づけ、新潟駅~青山間で運行を開始。情報案内システムの導入やバス乗り換え拠点(交通結節点)の整備などを行い、同時にバス路線網の再編を開始する。走行空間は従来通り歩道寄りのバス優先車線とし、当面は中央専用車線を導入しない。連節バスは4台導入し、不足分は一般のバスで補う。

第1期暫定型開業後は、一般車の通行車線制限や既存の優先車線の強化、新潟駅前の東大通りに中央車線沿いのホームを先行設置するなどして実地検証を重ねる。2019年度頃を目標とした「第1期完成型」の開業時には中央専用車線を導入し、BRTとしての本格運行を開始する。

第2期区間は2022年度の整備を目標としている。新潟駅の高架化工事完成に合わせ、駅北側の第1期区間と南側の第2期区間が高架下の交通広場で接続することになる。新潟市はこれに合わせ、BRTの次世代型路面電車(LRT)への移行について判断するとしている。

《草町義和》

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