フルモデルチェンジした、新型マツダ『アテンザ』には、安全運転支援システムのひとつとして、ハイビームコントロールを備えている。
そのシステムを担当した、同社車両開発本部車両システム開発部主幹の小川伯文さんは、試乗会にて、「夜の歩行者事故の半分以上はロービームで起きています。つまり、ハイビームだったら救えそうな事故が半分ぐらいあるということなのです」という。そこでこのシステムは、「できるだけハイビームにして走っていただきたいと、ハイビームをデフォルトとし、対向車が来たら自動でロービームにしてくれるものです」
しかし、このシステムには難しい面がある。それは、対向車に眩惑を与えてはいけないということだ。「眩惑を与えるとパッシングされてしまいす。そうすると(ドライバーには)かなり精神的なダメージがあります。悪いことしたと思ってしまうのです。そうなってしまうと、(このシステムは)もう使いたくないと、せっかくの安全装備が無駄になってしまうのです」と話す。
そこで、「(感度を落とすことで)ハイビームになる率は少し下がるかもしれませんが、眩惑を与えて自らスイッチを切られるよりは、より使っていただける場面が多いだろうと考えています」と説明する。「もちろん、できるだけハイビームの率を上げていくという努力はやっています」と述べる。
ではなぜ感度を落とさなければいけないのか。「(対向車の)ヘッドライト感知は、かなりの光量があるのでそうでもないのですが、難しいのは、路側にある反射板と、先行車のテールランプとの区別が非常に難しいのです」とその理由を語った。