トヨタ自動車の新型FRスポーツカー、『86』。同車に追加されると噂される高性能モデルに関して、海外の自動車メディアが興味深いレポートを行った。
これは11月9日、英国BBC放送の人気自動車番組、『Top Gear』の電子版が伝えたもの。同メディアのインタビューに応じたトヨタ86の多田哲哉チーフエンジニアは、「KERSハイブリッドシステムを搭載した86のプロトタイプの開発を検討中」と明かしたというのだ。
KERSとは、キネティック・エナジー・リカバリー・システムの略。もともとはF1マシン用に開発された技術で、ブレーキ時のエネルギーを回収し、そのエネルギーを電力に変え、加速の際、エンジンをアシストするパワーとして利用する一種のハイブリッドシステムである。
トヨタは2012年のルマン24時間耐久レースやWECに参戦中のレーシングカー『TS030』にKERSを採用。そのノウハウを、86の高性能版に反映させる構想を描いているようだ。
多田チーフエンジニアは、「エンジンのターボ化で300psクラスを引き出すのでは意味がない。KERSのような技術こそ、86の個性を引き立てる有効な方法」と同メディアにコメント。86の高性能版に、KERS採用の可能性は十分にありそうだ。