2015年に月面探査へ…ローバー開発進む ホワイトレーベルスペース・ジャパン

宇宙 テクノロジー
ホワイトレーベルスペース、10キログラム級4輪駆動ローバー
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 合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパンは、2015年末までに世界初、民間発の月面探査を実現することにチャレンジしている。これに向けて12年11月上旬に走行実験、遠隔操作実験を行ない、13年初頭にプロトタイプを完成する予定だ。

 ホワイトレーベルスペースのプロジェクトは、Googleがスポンサーする国際宇宙開発レース、「Google Lunar X PRIZE」(グーグル・ルナー・エックスプライズ)がきっかけとなっており、また日本チームとして唯一の参加(世界各国から25の民間組織が参加)となっている。ホワイトレーベルスペースでは、日本が得意とする小型軽量化の技術を生かした月面探査車(月面探査ローバー)を開発し、15年末に月面探査を実行する予定だ。

 ローバーの小型軽量化により開発コスト削減をすることで、民間でも月面探査が可能になる。過去に開発を進めてきた10キログラム級4輪駆動ローバーに加え、さらなる小型軽量化を目指す。走行機能を効率化するため車輪数の削減、月面ミッション・機能を絞り込む、消費電力の少ない小型民生部品活用の検討など、日本の技術力を集約し、目標重量約1キログラムのローバーを開発している。ちなみに12年8月に火星に着陸したNASAのローバー「キュリオシティ」は重量900キログラムだ。

 直近のスケジュールでは、13年初頭に超小型ローバーのプロトタイプモデルを完成させる予定。これに向け12年11月上旬に、月面に似た地形をもつ東京伊豆大島で、ローバーの走行実験・遠隔操作実験などを行なう。

 実際の月面探査では、38万キロメートル以上離れた位置にいるローバーを、ローバーに装備された各種センサ(カメラなど)からのデータを頼りに、地球から遠隔操作する。そのため、限られたデータから障害物を識別し最適なルートを設定できるかが重要な意味を持つ。

 Google Lunar X PRIZEは、Googleがスポンサーとなり、X PRIZE財団によって運営される、民間組織による月面無人探査を競う総額3000万ドルの国際賞金レースだ。ミッションは、15年12月31日までに月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500メートル以上走行し、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること。世界16ヵ国から25チームが参加している。

 これに日本から参加したホワイトレーベルスペースは、弁護士、惑星科学者、コンサルタント、ウェブデザイナー、プロモーターなど様々な職業の、元宇宙少年少女たちで結成された。平日はそれぞれのフィールドで働く傍ら、余暇を活用しプロジェクトに参加している。技術開発をリードするのは、小惑星探査機「はやぶさ」をはじめ数々の宇宙機の開発に携わっている東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻の吉田和哉教授だ。

 またホワイトレーベルスペースでは、一般人が関わる機会の少ない、リアルな宇宙開発に触れてもらうこと、およびプロトタイプモデル開発資金を集めることを目的とし、資金を集めるクラウドファンディングのサイト、「CAMPFIRE」で支援者を募集している。

 ホワイトレーベルスペースのミッションは、参加メンバー自身が子どもの頃から抱いている宇宙への夢を、「世界初の民間組織による月面無人探査」という形で実現することによって、人々が夢に向かって行動を起こすためのキッカケを与えることだ。

民間発の月面探査、日本のホワイトレーベルスペースが開発中

《高木啓@RBB TODAY》

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