マツダ『CX-5』のディーゼルモデルが大ヒットしていることからもわかるように、日本でもディーゼルエンジンのよさが見直されてきた。もともとヨーロッパではディーゼルエンジンの人気が高く、乗用車でも多くのモデルがディーゼルエンジンをラインアップし、消費者も多くがそれをチョイスしている。BMWもついに3シリーズという販売ボリュームの大きな車種のディーゼルエンジンを日本に輸入開始した。グレード名は「320dブルーパフォーマンス」という。排気量は2リットルで、燃料噴射は直噴、ターボで過給されている。アイドリング状態ではほとんどディーゼルエンジンであることは意識させないが、走り出しでは若干ディーゼルらしい振動が発生する。しかし不快なレベルではない。このディーゼルエンジン。なんと1750rpmで最大トルクを発生する。つまりエンジン回転を大きく上げることなく、シフトアップしどんどん加速していくのだ。アクセルペダルを踏み込んだときに感じる「グッ」という押し出し感は、ディーゼルエンジンならではの力感だ。エンジンを掛けたままでクルマを下り、後ろに回ってみても排ガスの臭さは感じない。ススなどはフィルターに吸着させエンジンの熱で焼却、窒素酸化物などは触媒によって処理をしている。アイドリングストップは自然にスッと止まる。再始動時も大きな騒音や振動はない。JC08モード燃費は、セダンもツーリング(ワゴン)も19.4km/リットルと高水準だ。今回は短い時間でのワインディングを中心とした試乗だったが、高速道路など一定速度で走り続けるシチュエーションでこそ、ディーゼルエンジンの真価が発揮できる場所。次の機会にはそうした状況を試し、お伝えしたいと思う。5つ星評価パッケージング:★★★インテリア/居住性:★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★諸星陽一|モータージャーナリスト自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナ