10月18日より発売が開始された光岡『雷駆-T3』は、佐川急便の小口配達用として、発売前より実戦投入され、車両データのフィードバックが行われている。
同車両を管理するSGモータース代表取締役社長の谷本育生氏によると、導入のきっかけは、自社でコンバージョンEVを開発したことだという。「全国で約8000台の軽車両を小口宅配用に稼働させていますが、ディーゼルエンジンを積んだ中型トラックと比較すると、耐用年数、耐久性が短いのです。外観はぶつけずにきれいなままで退役をしてくるクルマでも、実際には、エンジンは分解して部品取りか、解体行きとなります。何とかこれを再生出来ないかと、コンバージョンEVの研究をしました」と話す。実際に岡山県下第1号改造電気自動車としてナンバー取得にも成功した。
しかし、メーカーの違う1台1台をコンバージョンするには、仕様が異なるためコスト的に採算が合わなかった。
「確かに環境には優しいことだが、企業活動としていかがなものかという懸念にかられたのです」
谷本氏はこの1号車で車検取得が出来る技術を身に付けたことで、いったんは良しとしたものの、専任の担当者を置き業界の発展動向を収集した。そこで、雷駆-T3が目に留まった。実際に車両を見た後、「我々は使用者側なので、研究開発に関してはお手伝い出来ないかもしれません。ただし、全国に整備網を張り巡らせており、兄弟会社で佐川急便という実戦部隊があるので、そこで色々な車両データを拾ってフィードバックすることは可能です。型式認定はまだ取れてはいないが、何台か譲ってもらって、上部の架装並びにモディファイに関しては任せてもらいたいとお願いし、(実戦投入が)決定したのです」と話す。
現在FRPで集配用のボックスを作ったが、「いかんせんノウハウが蓄積されたボックスではないので、これから改良の余地があります。果たして100kg積めるクルマに、わざわざ軽いFRPではなくてもいいのでは、といったことを考えながら今後やっていきたいなと思っています」と語った。