次期ミラージュは8月下旬からの発売を前に、6月下旬から予約受注を開始した。ミラージュには先にバンコクでタイ仕様車に試乗してレポートしたが、今回は日本仕様のプロトタイプ車に試乗した。
タイ仕様車には1.2リットルエンジンが搭載されていたのに対し、今回の日本仕様車には1.0リットルでアイドリングストップ機構を採用したエンジンだ。外観デザインやスペックなどは昨年の東京モーターショーに出品されていたのと同じと考えたら良い。
特設コースでの試乗では、まず縦列駐車やクランク路を走って取り回しの良さを確認した。小さめのボディで小回りが利くミラージュは、明らかに取り回し性能に優れている。比較車として用意してあったコルトと比べても扱いやすさは明確に上だ。
停止するとアイドリングストップ機構が働き、ブレーキペダルを緩めると再始動する。このあたりのスムーズさもコンパクトカーとしてはまずまずのレベルにあった。
乗る前には1.0リットルエンジンの動力性能が気になったが、小さくて軽いボディのミラージュは1.0リットルエンジンでもそれなりに良く走った。アクセルを全開にして走ったときのトップエンドでの加速の伸びにはさすがに物足りなさを感じたが、全体として必要十分な動力性能を持つといって良い。
乗り心地を重視した足回りなので、パイロンスラロームをするともう少し安定感が欲しい印象だった。フロントにスタビライザーを装着すれば良いのにと思う。
問題だったのは後席中央にヘッドレストレイントが装備されていないこと。このクラスでは装備していないのが当たり前のような状況にあるが、だからこそミラージュには積極的に装着してほしかった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。