荷主側経営陣への営業強化を…貨物鉄道輸送ビジョン懇談会

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東亜石油扇町工場の貨物鉄道輸送もトラック輸送へ転換した
  • 東亜石油扇町工場の貨物鉄道輸送もトラック輸送へ転換した
  • 16日に貨物輸送を終了した岳南鉄道
  • 二軸有蓋貨車「ワム」もコンテナ化などにより姿を消す傾向にある
  • 佐川急便が東阪間で走らせる「スーパーレールカーゴ」は健在
  • コンテナひとつひとつに付くICタグが輸送の定時輸送に貢献

国土交通省が28日にまとめた「貨物鉄道輸送の将来ビジョンに関する懇談会」の開催結果には、トヨタやJR貨物といった、荷主側と物流事業者との意見交換の内容が盛り込まれた。

23日に行われた同会には、学識経験者・民間事業者・業界団体・行政関係が集まり、荷主側としてトヨタ自動車渉外部の担当者などが参加。「(貨物鉄道輸送は)トラック等と比べてもコスト高と見られている」「荷主側物流担当の部長レベルでは貨物鉄道輸送の特性は理解されているが、経営トップが輸送障害への懸念などから消極的になる例もあり、荷主側経営トップへの営業活動を強化すべき」などの意見が出たという。

トヨタは、愛知でつくられた自動車関連部品を、『アクア』などを生産する関東自動車工業岩手工場に運ぶ貨物列車「トヨタ・ロングパス・エクスプレス」を走らせている。

いっぽうで、1950年から静岡県富士市の製紙業を支えてきた岳南鉄道の貨物列車運行が16日に終了したばかり。「貨物鉄道輸送の特性は関係者間でも十分に認識されているにもかかわらず、収支が赤字となるのは価格設定等に問題があるのでは」といった指摘もあった。

将来に向けた輸送需要の見通しやモーダルシフトを推進するための需要増加方策などを検討する同会は、今年度中に5回程度開催し12月ごろに最終とりまとめを行う予定。

《レスポンス編集部》

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