電気自動車(EV)を技術共有方式で開発するSIM-Drive(川崎市)は28日、先行開発車第2号を『SIM-WILL』として発表した。搭載するリチウムイオン電池の容量を1号車より4割増やし、351kmの航続距離を達成した。
開発には仏PSAプジョーシトロエンなど国内外の34機関が参画、昨年2月からほぼ1年で仕上げた。SIM-WILLは、1号車と同様にインホイールモーター方式による4輪駆動。車体サイズは、ガソリン車では1.3〜1.5リットル級のBセグメント並みだが、大型乗用車に匹敵する居住空間を確保したという。
ドア素材をカーボンファイバーにするなどの軽量化も進め、搭載電池容量を35.1kWhに増やしたことで、JC08モードによる航続距離を1号車よりも伸ばした。ゼロから100km/hに達するのに要する時間は5.4秒で、中級のスポーツカーに匹敵する性能としている。
同社の清水浩社長は発表会見で、「参画機関から47の技術を導入することができた。EVの開発に携わった30年の歴史のなかで、もっとも完成度の高いクルマになった」と話した。