タイで発売された新型『ミラージュ』に乗り込んだ瞬間、とても意外だったことがある。インパネをはじめてとしてインテリアの質感が、ライバルに比べて高いのだ。
理由はすぐにわかった。センタークラスターにはピアノブラックのパネルを使い、エアコン吹き出し口にシルバーの装飾を加えるなどしっかりコストをかけているのが効いているのである。シボの入れ方をはじめとするインパネの表面仕上げだって、この価格帯のクルマとしては上出来といえる。
「年配ユーザーを中心としたダウンサイジング層もターゲットにしているからです」と三菱自動車商品戦略本部商品企画部の岩田達(いわたとおる)さん。そのため、上級車から移行してもがっかりしないインテリアを目指したのだという。「インパネを派手な形にしてお金をかけるよりは、シンプルな形にしてそのぶん質感を高めることにしました」(岩田さん)。
言われてみれば、インパネだけでなくシートなど内装の仕立て全般もライバルに比べるとチープ感が少ないように思える。