来年から生産が開始される三菱『ミラージュ』が、第42回東京モーターショーに参考出品される。
そのデザインコンセプトは、「“シンプル”という言葉であるとともに、“less is more(より少ないことは、より豊かなこと。20世紀のモダニズム建築家、ミース・ファン・デル・ローエの言葉)”です」と語るのは、デザイン本部デザイン部主任(デザイン担当)の吉峰典彦さん。
「エクステリアデザインは、(必要のないものを)削り取って極力少なくしながら、いかにユーザーに低価格だからとがっかりしないデザインにするかというところに主眼を置いています」という。
具体的には、「新興国やヨーロッパの先進国など、ほぼ全世界で販売しますから、ただシンプルな箱というのではなく、少しスパイスをあたえました。例えばボディサイドにキャラクターをつけたりしているのです」。
それ以外にも、「サイドビューでは空力を考慮し、ルーフラインをリアに向けて徐々に下げる代わりに、ベルトラインの前側を落としてウェッジを効かせ力強く見せるなど、機能的な要素を踏まえたうえでデザインしています」(吉峰さん)。
つまり、機能を主眼に置くことで格好が悪くなっても仕方ないとユーザーに諦めさせることはしていないのだ。そして、ルーフ後端を下げると当然リアのヘッドクリアランスが犠牲となるが、「ヒップポイントなどを調整しながら、乗った時に違和感が無いようにしています」(吉峰さん)とデザインによって犠牲が生じないようにしていることを強調した。