【新聞ウォッチ】トヨタ初の軽自動車、「積極的に売らないように」と営業マン困惑

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年9月27日付

●トヨタ「軽」参戦、CMなし、静かな発進、販売力他社の脅威に(読売・10面)

●車保険料事故後の値上げ拡大(読売・11面)

●ユーロ安一時101円台、東証8300円台、今年最安値(朝日・1面)

●日清紡が欧州大手を買収、ブレーキ材世界2位、ユーロ安受け(朝日・8面)

●小型二輪生産海外へ、ホンダ、中大型は国内強化(朝日・11面)

●「耳カー」出走FM東京など(産経・10面)

●都営交通100周年記念、荒川線に花電車(産経・23面)

●節電家庭でも貢献、7〜8月前年比11.8%減、最大電力時大口は29%、東電、今夏動向発表(東京・1面)

●自動車用ドアハンドル,アルファ、メキシコに新工場(日経・11面)

●東京株式市場、リーマン後の安値下回る、トヨタ8年半ぶり(日経・17面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車が子会社のダイハツ工業からOEM(相手先ブランド)供給を受けた軽自動車『ピクシス・スペース』を発売し、軽自動車市場に参入した。これで国内大手8社すべてが「軽」を取り扱うことになるだけに、話題性は充分だ。

きょうの各紙も「トヨタ『軽』参戦」(読売)、「トヨタの軽最後尾発進」(朝日)、「トヨタ初の軽自動車」(東京)など、経済面などで大きく取り上げている。

ただ、ダイハツからのOEM調達のため制約も多い。トヨタの販売台数は3車種で年間6万台と上限を設定。販売網についても全国のトヨタカローラ店74社とネッツ店108社、さらに軽自動車市場比率の高い地域で希望があったトヨタ店14社とトヨペット店15社で取り扱われるという。

早速、筆者も都内のカローラ店を覗いてみた。しかし、ショールームに展示車両がなければ、パンフレットも置いていない。販売員に尋ねると、都内の系列店で展示車があるのはわずか3〜4店舗という。しかも「(本社から)積極的に売らないように」と、指示を受けたそうだ。

理由は単純明快。「販売台数に制限があるため、地方などで待ち望んでいる仮予約の顧客に納車できない恐れがある」からという。営業マンには利幅の薄い「軽」よりも、従来通りに普通車をセールスさせる狙いもある。

日経が「軽自動車、販売の主役」と報じているように、今年1〜8月の新車販売に占める軽の比率は37%に達し、比率が50%を超えたところも九州・四国などの8県に及ぶ。トヨタは来春までにあと2車種を追加する予定だが、その1車種にはガソリン車で国内最高の燃費性能をもつ新型『ミライース』も投入する計画だという。初戦は「テレビCMなども行わない『静かな参入』」(読売)のようだが、ライバルは戦々恐々だろう。

《福田俊之》

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