【新聞ウォッチ】パナソニック苦渋の決断、調達・物流本部まで海外移転

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年9月15日付

●日産、ダイムラーと共同開発(読売・10面)

●株「三重苦」の下落、欧州、円高、景気不安(読売・11面)

●ニュースがわからん! ガソリン車の燃費、良くなったの?(朝日・2面)

●ホンダが中国でHV現地生産へ(朝日・11面)

●ガソリン値下げ続く、5週連続、8月以降4.2円安(朝日・11面)

●パナソニック、調達部門を海外移転、シンガポール円高の影響回避(毎日・1面)

●「軽くて強い炭素繊維車」、「未来のクルマ」量産へコスト課題、帝人に続き東レ試作(毎日・7面)

●リーマン・ショック3年、米低成長時代の足音(産経・11面)

●米の6研究機関と連携、トヨタ、安全技術を開発(日経・13面)

●インドネシア生産車の部品、トヨタ、85%現地調達(日経・13面)

●米で在庫不足和らぐ、日本車、震災後初の増加、8月末(日経・13面)

ひとくちコメント

1ドル=76~77円台で張り付いている歴史的な超円高を背景に、日本企業の海外移転が際立ってきた。パナソニックは調達、物流の両本部を2012年4月にもシンガポールに移転するという。

きょうの各紙が報じているが,なかても毎日は1面準トップ扱いで「パナソニック、調達部門を海外移転」と大きな見出しで取り上げている。パナソニックの狙いは、アジアで安価な部材調達を加速するとともに、円高に対してドルでの調達を増やすほか、世界の取引先企業を現在の1万7000~1万8000社から12年度までに約1万社へと約4割に削減し、年約600億円のコスト削減をめざすという。

本社機能の海外移転は異例で「企業の“日本脱出”の前触れ」(毎日)と指摘する専門家の見方もある。国内の下請け企業に大きな影響を及ぼす可能性が高い。

海外移転はパナソニックばかりではない。きょうの日経は1面トップでエルピーダメモリが日本から台湾に生産能力の4割を移転すると報じている。また、ファーストリテイリングは、カジュアル衣料店「ユニクロ」の海外出店ペースを3年以内に現在の年間数10店舗から同200〜300店舗に加速すると発表した。

世界的な金融危機の引き金となったあの「リーマン・ショック」から丸3年。当時1ドル=107円だった為替レートは77円台。約30円の円高だ。一説には「50円」まで円高が加速するという大胆な予測もあるほどで、今回のパナソニックのような話題は当たり前で、その頃は「日本に踏みとどまる企業」がニュースになる可能性もある。

《福田俊之》

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