【新聞ウォッチ】生産が回復すれば赤字

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年7月26日付

●小型漁船大増産、復興後押し、ヤマハ発は10倍超、2年間で8000隻(読売・8面)

●車生産復調進む、減少率縮小、6月は15%減、部品不足解消(読売・8面)

●首相進退盆明け攻防、退陣3条件、2次補正は成立(朝日・1面)

●車用の半導体共通化へ、トヨタ、震災教訓に13年目標(朝日・9面)

●被災車海外へ流れる、盗んで分解し通関、格安で買い取り転売(朝日・39面)

●中国高速鉄道「時速100キロで追突」自動制御装置作動せず?(産経・1面)

●ロンドン一時78円06銭、円高緊迫(産経・11面)

●富士重・吉永新社長に聞く,円高、長期化なら対応できない(東京・7面)

●日産、中国生産を倍増、15年メド200万台、現地3拠点、一斉増強(日経・1面)

●ホンダ、ベトナムで二輪増産(日経・9面)

●人こと:三菱自動車益子社長「エコカーで社会貢献の道探る」(日経・9面)

●川崎汽船、LNG燃料の自動車輸送船(日経・11面)

●日産、ブランド力強化、中国で「インフィニティ」生産検討(日経・11面)

●スカニアと提携解消、日野自、国内トラック販売(日経・13面)

ひとくちコメント

国内自動車メーカー大手8社が2011年上半期(1~6月)と6月の生産、販売、輸出実績を発表した。それによると、世界生産台数は、東日本大震災の影響で日産自動車と三菱自動車を除く6社が前年同期の実績を下回り、8社合計で959万9529台。上半期としてはリーマンショック後以来、2年ぶりに1000万台を割り込んだ。

ただ、6月の単月でみると、国内生産では、日産と三菱自が前年同月を上回ったほか、マツダもほぼ前年並みに回復。トヨタやホンダも5月と比べると減少幅が縮小し、震災からの回復が鮮明になった。

きょうの各紙が経済面などで大きく取り上げているが、「国内8社1000万台割れ、トヨタ、ホンダ大幅減」と上半期を中心に報じたのは毎日のみ。「国内生産6月15%減」(日経)をはじめ、「車生産復調進む」(読売)、「自動車生産、回復鮮明」(朝日、産経)、「車生産回復鮮明に」(東京)などと、毎日以外は6月の実績をメインに取り上げている。

自動車の国内生産が回復基調にあることは日本経済の復興にも明るい材料だ。しかし、国内生産台数のの半分以上は輸出向けである。ニューヨーク外国為替市場では円相場が上昇し、1ドル=78円20~30銭で推移している。政府・日銀が円売り介入に踏み切るとの観測もあるが、これまでの対策が後手にまわっているとの批判も多い。

今週末から自動車各社は2012年3月期第1四半期決算を発表するが、単独決算では「生産が回復すればするほど赤字も増える」という負の連鎖はしばらく解消されそうにもない。

《福田俊之》

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