【新聞ウォッチ】インフレのインド市場、新車販売も急ブレーキ

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トヨタ・エティオス・リーバ(インド向け新型車)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年7月12日付

●京成車内26度に、例年に戻す「節電にメド」(読売・2面)

●顔:44年ぶりに誕生した女性オートレーサー、佐藤摩弥さん(読売・2面)

●被災4か月、製鉄所スピード回復、住金鹿島、フル稼働、新日鉄釜石、7割に(読売・10面)

●二輪開発部門など内陸部へ移転発表、スズキ(読売・10面)

●原発の再開不透明、2段階テスト、時期・方法未定(朝日・12面)

●中古の自動車電池、建物用に再利用、日産、実用化に向け試験(朝日・8面)

●インド新車販売減速、インフレ、消費に悪影響(朝日・8面)

●なでしこ、新たな歴史へ、サッカー女子W杯(朝日・19面)

●節電いつまで企業不安、海外移転の動き加速も(毎日・2面)

●低燃費タイヤ販売加速、節約志向に合致(毎日・8面)

●新エンジン搭載,中型を全面改良、UDトラックス(東京・7面)

●省エネ住宅10社連携、家電や電気自動車接続、KDDIや東芝・三菱自、電力制御へ統一規格(日経・1面)

●富士重、群馬の軽自動車工場、中・小型車用に刷新、100億円投資、年15万台規模に倍増(日経・12面)

ひとくちコメント

中国やブラジルなどとともに、成長が大いに期待できるインドの自動車市場だが、インド自動車工業会が発表した6月の国内新車販売(乗用車と商用車の合計)は、前年同月比7%増の25万1009台にとどまったという。

増加率はリーマン・ショックの影響が尾を引いていた09年6月(4%増)以来、24か月ぶりの低さ。しかも、全体の8割弱を占める乗用車が4%増の18万9000台と09年5月(0.6%減)以来の低成長だそうだ。

きょうの各紙が報じているが、このうち、朝日は「インドの新車販売の伸びが鈍り、景気の減速傾向が強まっている」と警鐘を鳴らしている。減速の要因は、乗用車最大手でスズキ子会社のマルチ・スズキの工場で起きた大規模ストの影響も小さくなかったとみられるほか、「しつこいインフレが、高成長の消費を鈍らせていることが読み取れる」(朝日)とみている。

インド自動車工業会は2011年度(11年4月~12年3月)の乗用車市場の成長率予測を、従来の16~18%から10~12%に下方修正。ただ、ゴエンカ会長は「(インド準備銀行が)年内はあと0.25%しか利上げしないとの市場予想があり、(乗用車販売市場が)前年同月比でマイナスになる可能性はない」との見方も示したという。

瞬間風速では1ケタの伸びにとどまったとはいえ、総人口が11億人を超える中国に次ぐ巨大市場のインドである。スズキの牙城切り崩しに後発メーカーの韓国・ヒュンダイやトヨタ自動車、日産自動車などもインド戦略をを強化しており、シェア争いも熾烈化する一方だ。

《福田俊之》

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