日本自動車工業会の志賀俊之会長は20日の定例会見で、経済産業省が主導する「自動車戦略研究会」の中間まとめで、部品の共通化が課題に挙げられたことについて、推進には「留意しなければならない点もある」と指摘した。
志賀会長は「一般論として共通化によって代替調達が可能になるため、リスクヘッジはできる」と共通化のメリットは認めた。しかし、仕様や性能、品質が同一レベルになった場合、「部品業界ではコストが一番の競争要因となって、収益の悪化をもたらす恐れもある」と懸念を表明した。
さらにコスト重視となれば、海外に生産を移管するなどといった「空洞化」を引き起こすことへの警戒も示した。一方で、志賀会長は「サプライヤーさんにとっては仕様が余りにも多すぎるというものがあるのも事実。(業界としては)できるものから考えていきたい」と述べた。