【新聞ウォッチ】ホンダが火付け役? 夏の節電で足並みの乱れ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年6月20日付

●国際会計基準延期へ企業、震災で15年適用困難(読売・1面)

●1000円高速終了、被災者無料きょうから(読売・1面)

●セガ130万人分情報流出、欧州の子会社(読売・34面)

●エコで勝負、風圧半減した車運搬船、日産自動車(毎日・9面)

●首相、早期退陣に難色、党幹部と協議、会期延長結論出ず(産経・1面)

●次世代GPS、ホンダなど10社、政府と研究会、30兆円アジア市場開拓(産経・1面)

●日産も一部稼働へ、業界休業の木・金曜日(産経・10面)

●「フェリーから落ちた」自ら通報、命救った防水携帯(産経・27面)

●大卒採用13.7%増、団塊世代退職に対応、技術職・海外展開に的(日経・1面)

●主力「軽」13年にも開発、日産・三菱自、電気自動車も検討(日経・9面)

ひとくちコメント

日本自動車工業会が業界に先駆けて夏場の節電対策のため、7~9月の3か月間、土、日曜日に出勤、木、金曜日を休業とする「輪番操業」について、早くもメーカーの間で足並みの乱れが表面化しているという。

その火付け役となったのはホンダで、7月に休業日とする予定だった木曜日に一部の工場を稼働させるという。19日付の産経、東京、日経などが報じているが、「部品の製造が追いつかないため」としている。

鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)のエンジン部品、浜松製作所(浜松市)の変速機の製造に携わる計約150人と、熊本製作所(熊本県大津町)の発電機部門の約150人が対象で、7月の木曜日2日間を稼働日とするが、8月以降は未定のようだ。

さらに、きょうの産経や共同通信などが、7月から休業するとしていた木曜日と金曜日について、日産自動車の幹部のコメントとして「生産が追いつかなければ操業はあり得る」と話したと伝えている。

日産は、電力消費量を通信回線で管理する「スマートメーター」を導入。木、金曜日に操業する場合も、一部にとどまるため通常よりも電力使用を抑制できるという。ただ、「志賀俊之最高執行責任者が自工会会長として木、金曜を休業にする節電対策を進めた経緯があり、稼働する際は丁寧な説明を求められそうだ」(産経)としている。

足並みの乱れが表面化した背景には、東日本大震災で調達が困難になっていた部品の供給が正常化しつつあり、各社とも震災以前の水準までほぼ回復しているためだ。「1日でも早く、1台でも多く、お待たせしているお客様にお届けしたい」(豊田章男・トヨタ自動車社長)という思いもある。

もっとも、自工会が決定した「輪番操業」には、強制力も罰則もない。各社ともジレンマを抱えながら夏場の節電対応に頭を痛めている。

《福田俊之》

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