国土交通省は、「不正改造車を排除する運動」を実施している。同運動では、不正改造についての認知度を高め、車両の安全確保・環境保全の向上を図ることが目的となっている。
同運動は、国交省及び自動車関連団体で構成する「不正改造防止推進協議会」が連携して取り組み、内閣府、警察庁、農林水産省、経済産業省、環境省が後援となっている。2011年6月1日~30日までの1か月間を強化月間としている。
若年層、トラックユーザーへの注意を強化
今回の取り組みに関して不正改造防止推進協議会は、とくに10代、20代の自動車ユーザーや、大型トラックユーザーに対するアプローチを強化しているという。
10代、20代のユーザーは、不正改造の不認知率が高くなっており、こうしたユーザーを対象にwebの活用、イベントの実施などで重点的に啓発活動を行う。
その他通常の啓発活動としては、警察をはじめとする関係機関と協力しながら街頭検査を実施するとともに運輸支局で構内検査を行う。不正改造をしていた場合には整備命令を発令するなどの対処に取り組む。
また迷惑改造車相談窓口を設置し、情報収集に取り組むほか、不正改造車の使用者に対し警告ハガキを送付するなどして注意喚起を行う。
不正改造に気づかないユーザーが増加
不正改造の傾向としては、保安基準に適合していない場合でも、ユーザーが違法であることを認識しないまま改造を行っているケースが増えているという。
ユーザーが認識していない改造として、フロントガラスや運転席・助手席の窓ガラスに着色フィルムやステッカーを貼付けること、ランプ類の色を変えたり、回転灯を取付けること、タイヤやホイールが車体からはみ出した状態になること、基準外のウイングを取付けることなどが挙げられた。
保安基準不適合台数は一定で推移
近年の不正改造車排除強化月間における街頭検査の結果では、検査数に対する保安基準不適合台数は10%前後とほぼ一定数で推移している。
整備命令が発令された台数は、年ごとにばらつきはあるが、整備命令の対象となった箇所をみるとランプ類についてが一番多くなっている。着色フィルムについては、2009年度までは減少傾向だったが2010年度は増加した。