関係企業によるオープンソース方式で電気自動車(EV)の技術開発を手がけているSIM-Drive(シムドライブ)は18日、先行開発車両の1号車である『SIM-LEI』を正式発表するとともに、引き続き第2期の開発に着手したことを明らかにした。
同社の福武總一郎会長は、第2期ではSIM-LEIと同様にインホイールモーターを使った4輪駆動車と、既存車両を改造するコンバージョンEVの計2台の開発・試作を進めると明らかにした。
コンバージョン車両は仏PSAプジョー・シトロエンのシトロエン『DS3』をベースに試作する。第2期の開発に参画するのは、第1期と同じ34企業・団体となった。ただ、参画企業は若干入れ替わっており、コンバージョン車両をトライアルするPSAや独ボッシュなど外国企業3社が新たに参画した。
DS3のコンバージョン車両に搭載するモーターも、SIM-LEI同様にドーナツ状の回転子が外側にあるインホイール用のモーターを採用する。福武会長は「インホイールモーターはギアを介することによる動力の減衰がなく、コンバージョンEVへの応用もメリットが大きい」と説明した。
清水浩社長(慶大環境情報学部教授)によると、第2期の開発は今年1月にスタートしており、2012年3月末までに完了させる計画。SIM-LEIに次ぐ4輪駆動の新EVについて清水社長は「来春にはLEIよりさらに進化した車両をお見せしたい」と話した。