パイロットがドライバー、新型トーイングカー開発中

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タキシボット実証実験車(2010年)
  • タキシボット実証実験車(2010年)
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  • タキシボット実証実験車(2010年)
  • タキシボット作動試験機(2008年)
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イスラエル航空航空工業(イスラエル)と自動車関連技術開発会社のリカード(イギリス)は、空港地上で航空機を移動させる航空機牽引車の新型、『タクシボット』を開発中だ。航空機の操縦士自身が航空機牽引車を操縦するのが特徴だ。

航空機牽引車はトーイングカー、トーイングトラクター、タグともいう。航空機が地上を移動するときに機体を牽引/推進する車両だ。

航空機が地上で、ターミナルビルなど空港施設や空港敷地外に近い場所を移動するときには、ジェット排気が作業員、建物、他の機体に吹き付けられるのを避けたり、騒音を低減するため、エンジン出力が制限される。そこで牽引車によって牽引/推進されることになる。

また航空機が自力で移動(タキシング)する場合も、発動機を地上での移動に用いるのは燃料消費の点で効率が悪いので、牽引車による移動距離の延長が求められている。

タクシボットでは、この牽引車の操作を航空機の操縦席で行なうのが特徴だ。従来のタキシングを、メインエンジンを停止したまま行なえる。滑走路端でエンジンを始動/停止し、ターミナルとの間は、航空機は無動力で移動する。

タクシボットはターレット(回転盤)を装備し、そこに航空機の前輪を乗せ、航空機の前輪の動きがタクシボットの動きと連動するようになっている。ブレーキも航空機側で行なう。航空機移動時にタクシボット側のオペレーターは不要になる。タクシボットの単独走行時にはドライバーが必要だが、将来はこれも無人化するべく開発している。

2008年に作動試験機を従来型牽引車の改造で制作、10年には実証実験車を同じく改造で制作、実際の空港と航空機で使用した。この試験に参加したルフトハンザのパイロットは「全体として大変よい印象だった。思っていた以上だった。凍結路面などスリップしやすい路面で曲がる際に、安全性が高まる」とコメントする。

これらの結果を受け、イスラエル航空航空工業とリカードは11年から実用開発を開始、12年中の商業運用をめざす。

《高木啓》

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