バンコク最大級のホンダディーラーを訪れた。月間販売台数は約100台。同じ敷地に広々としたショールームと整備現場を備える。
同店舗での売れ筋は『アコード』、『シティ』、『ジャズ(日本名:フィット)』。タイではエンジン、安全装置、カーナビゲーション、車体色が顧客に売り込む際の主な要素となっている。
例えばアコードの最高級製品は、V型3.5リットルエンジンを搭載し、塗料にホワイトパールを用いたものと解説される。価格は295万バーツ(約808万円)。タイの平均月収が日本円にして3万円ほどであることを考慮すれば、一部の富裕層にしか手の届かない高級製品であることがわかる。アコードの最安ラインは2.0リットルエンジンを搭載したもので126万5000バーツ(約346万円)となっている。
シティの最高級ラインは、SRSエアバッグ搭載のATタイプ。価格は69万4000バーツ(約190万円)。最安ラインは53万4000バーツ(約146万円)。
ジャズも最高級ラインはSRSエアバッグを搭載したAT型。価格は70万5000バーツ(約193万円)。最安ラインは56万2000バーツ(約154万円)となっている。シティやジャズクラスでも、タイの一般市民にとっては決して購入しやすい価格ではない。ちなみにホンダのアジア戦略車『ブリオ』の価格はタイで約40万バーツ(約110万円)と設定されている。
同店舗では、1階が整備やローンに関する窓口となっており、2階がショールームとなっている。タイのディラーでは、整備とショールームが一体となっていることが多いという。
ショールームを訪れるまえに、顧客はカタログやインターネットを通じて車両情報をインプットしている。顧客が持つ情報量に合わせて、スタッフが対応する。取材に応じてくれたスタッフは、「若いスタッフが多いが、若い方がベテランより車を売る能力が高い」と話す。