11月18日にメガウェブで行われたトヨタの環境技術説明会において、プレゼンテーションを行った副社長の内山田竹志氏は、さまざまな種類のエコカーが登場する将来においても、HVをコア技術と位置づけて開発を進めると語った。
「電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)、燃料電池自動車(FCV)といった次世代エコカーの導入で欠かせないのはモーター、パワーコントロールユニット、バッテリーといった要素技術のさらなる進化です。これらはいずれもハイブリッドカー(HV)と共通する技術なのです」
トヨタは1997年の初代『プリウス』導入以降、システムの小型・軽量・低コスト化を図ってきた。その結果、最新型プリウスの出力密度は、初代の1.5倍になっているという。なかでもモーターの出力密度は、高回転化や高電圧化を追求することで、初代の約4倍の数値を達成したそうだ。この経験がEVやPHV、FCVでも生かされることは間違いない。
また内山田氏は、最近は他メーカーからさまざまな方式のHVが登場しているが、燃費向上という点では初代プリウスから採用しているシリーズパラレル式がすぐれていることにも触れた。
「シリーズパラレル式は、エンジン動力を機械的にタイヤに伝達するとともに、つねに最適のエンジン効率で運転することができます。シリーズ式ハイブリッドは、エンジン動力を発電機で一旦電気に変換し、バッテリーに充電したのち再度モーターで機械動力に変換するため、発電機・モーターの変換時の損失が発生し、燃費効率が悪くなってしまいます」
HVにおいては他の追随を許さない技術力が、2012年末までに11車種もの新型投入予定、コンパクトクラスではリッター40km以上が目標、プラグインハイブリッドカー(PHV)を300万円で販売予定という、他を圧倒する発表内容につながったのだろう。