ハイブリッドモデル追加、またエンジン、シャーシ各部にも手が入るなど、大規模なマイナーチェンジが施されたコンパクトカー、ホンダ『フィット』。その新型に早速試乗し、燃費チェックをしてみた。
試乗車は「ハイブリッド」、1.3リットルの「Gスマートセレクション」、1.5リットルのスポーティモデル「RS」の3車種で、トランスミッションはすべてCVT。走行にあたっては、飛ばしもせず、ノロノロ走行もせずという、ごく普通のエコ走行を心がけた。
試乗コースはお台場にある船の科学館を出発。まずレインボーブリッジの一般道を走り、芝浦インターチェンジで首都高1号線に乗り、羽田で下りる。その後、空港拡張で話題になっている東京国際空港の国際線ターミナル近くを通る一般道を走行。最後に首都高の空港中央インターから首都高湾岸線でお台場に戻るという、全長約35kmのルートだ。
事前に1万台の受注を集めたハイブリッドは、基本仕様はハイブリッド専用車『インサイト』とほとんど同一で、異なるのは主にクルマの重量や性格に合わせたセッティングの部分だという。その走行フィーリングは出力特性、ノイズなど、ハイブリッドカーらしさを感じさせる部分がほとんどないというもの。ハイブリッドカーの特別感がないというのは、商品特性上はマイナスに作用する可能性もあるが、フィットの開発陣はそこを捨ててでもナチュラルさを追求したのだろう。
省燃費走行はインサイトと比べて、格段にやりやすくなった。ホンダのIMA用1.3リットルエンジンには、負荷が小さい時に燃料をカットするだけでなく、バルブを閉じたままにしてエンジンが空気を吸って排出するときに発生するエネルギー損失を防ぐ機構が実装されており、そのときには電気モーターのエネルギーだけで走ることになる。開発陣は、インサイトに比べてその状態に入りやすいようにチューニングしたと主張していたが、実際に走ってもそうセッティングされていることはすぐに実感できた。
果たしてフィットハイブリッドのオンボードコンピュータ上の燃費は、試乗コーストータルで27.5km/リットル。同条件で満タン法テストを行わなければわからないが、同じような走り方をした場合、インサイトよりやや上であるように感じられた。10.15モード燃費はインサイトと同じ30km/リットルだが、省燃費走行が簡単になったことや、車両重量が軽い(10.15モード燃費測定時の重量区分はインサイトと同じ1016~1265kgで、1250kgとして扱われる)ことがプラスに作用しているのかもしれない。