ルノー・ジャポンは9日、『カングー・ビボップ』の発売を開始した。価格は234万8000円。
同社COOの大極司さんは、現在の市場について、「エコカー補助金が締め切られたものの、国産車やドイツ車がしのぎを削っています。これは、裏を返せばディスカウント合戦だと思うのです」という。
しかし、ルノー・ジャポンはそういったところで戦うつもりはないという。「フランスの文化を愛する方々、フランスらしいデザインを愛していただく方々、そして、モータースポーツを楽しみたいという方々と一緒にクルマで遊ぶ、クルマで楽しむ、そういったところで勝負をしたいのです。そういったニッチなセグメントでのトップになりたいと考えています」という。従って、「補助金が終わっても我々はあまり関係がないと楽観しています」と笑う。
また、同社が掲げるFTS戦略(フレンチタッチでトレンディ、スポーツを楽しむ、そういった3つの要素を兼ね備えた商品に注力する)の結果、新型「カングー」やコンパクトスポーツホットハッチの『ルーテシア・ルノースポール』がヒット。1〜8月の販売は前年比163%と昨年の1〜12月の販売台数を超え「我々の戦略と商品がうまくマッチしてユーザーに受け入れられたと思う」。
そして、「フレンチタッチの代表となるクルマがカングーであり、このカングーをさらにエッジまで持って行き、フレンチタッチの最たるもの、トレンディの最たるもの、そしてスポーツを楽しめるクルマとしてカングー・ビボップを用意したのです」。
カングー・ビボップは本国以外では日本でしか発売されていない。こういったニッチなクルマは仕向け地によって適合にリスクが伴うからである。しかし、「日本ではニッチトップになることを目指し、本国ルノーは日本の戦略を理解し、このクルマを日本向けに開発してもらえたのです」。
「これから我々はこうした面白いクルマをどんどん入れて行きます。ディスカウント合戦ではなくて、本当に商品を愛してくれるユーザーと一緒にクルマを楽しんでいきたい」