たま電気自動車が機械遺産に

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日産自動車は26日、前身のひとつである東京電気自動車が1947年に完成した乗用車タイプの電気自動車『たま』が、日本機械学会が選定する2010年度機械遺産に選定されたと発表した。

たま電気自動車が登場した終戦直後は石油不足だったが、電力供給には余裕があったため、政府は電気自動車の生産を奨励した。戦後、自動車メーカーへの転換を模索していた飛行機メーカーの立川飛行機が開発したのが、たま電気自動車だ。

会社所在地の名前をとって「たま」号と命名された。立川飛行機から分離独立した東京電気自動車が後にプリンス自動車工業となり、日産自動車と合併する。

たま電気自動車は木骨鉄板張りの車体構造で、電動機は36ボルト120アンペア、蓄電池は鉛酸、40ボルト162アンペアのものを二分割して車体下部に搭載した。取り替え式だった。最高速度35km/h、1充電での走行距離65km。政府の性能試験ではカタログ性能を上回る最高速度35.2km/h、航続距離96.3kmを記録した。

たま電気自動車は順次改良され、51年頃までタクシーなどに使われた。49年に発売された『たまセニア』号では1充電200kmの走行が可能で、これは現代の『リーフ』並みの航続性能だ。小型トラックも作られた。その後、ガソリンの供給需要が好転し、また蓄電池材料の価格高騰により、一連の開発は中止された。

保存車両は、2010年にリーフの発表に合わせ、日産社内の有志によってフルレストアされ、走行も可能になった。 一部電気配線が更新されているものの、基本構造は新製当時のままだ。設計資料も多くが現存している。保存車両は横浜の日産グローバル本社ギャラリーにある。

日本機械学会は、過去に一度放棄された技術も再び必要になることもあることや、社会的な受容体制がなければ新技術も一時のブームに終わることを示す実物教材である、とたま電気自動車を評価する。

「機械遺産」とは、07年に創立110周年を迎えた日本機械学会がその記念事業の一環として始めた。歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、日本国内の機械技術面で歴史的意義のある「機械遺産」を認定する。

2010年度機械遺産はたま電気自動車のほか、東洋運搬機製造(現:TCM)の内燃機関式フォークリフト、立石電機(現:オムロン)自動改札機、高砂荏原式ターボ冷凍機、としまえん「カルーセル・エルドラド」、旧金毘羅大芝居(金丸座)の廻り舞台と旋回機構が選定された。
《高木啓》

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