トヨタは10日、英国ノースウェールズ州ディーサイド工場において、ハイブリッド車『オーリスHSD』用のエンジン生産を開始したと発表した。トヨタが日本以外でHV用エンジンを生産するのは、初めてとなる。
オーリスHSDは今年3月、ジュネーブモーターショーでデビュー。HSDとは、「ハイブリッド・シナジー・ドライブ」の略である。
エンジンやモーター、バッテリーなど、ハイブリッドシステムは、プリウスと共通。1.8リットル直列4気筒VVT-iガソリンエンジンは、最大出力97ps/5200rpm、最大トルク14.5kgm/4000rpmを発生。モーターは82ps、21.1kgmを引き出し、トータル出力134psを獲得する。トランスミッションはE-CVTだ。
2次電池はニッケル水素バッテリー。オーリスHSDは、最大2kmを最高速50km/hでゼロエミッション走行できる。欧州複合モード燃費は26.3km/リットル、CO2排出量は89g/kmと、クラストップレベルにある。
オーリスHSDは、車両の組み立てを『アベンシス』と同じ、TMUK(トヨタ・モーター・マニュファクチャリングUK)の英国ダービーシャー州バーナストン工場が担当。エンジンは、TMUKのノースウェールズ州ディーサイド工場で製造する。
ディーサイド工場は、1992年に稼働。500名以上の従業員が、2シフト制で1.6リットル直列4気筒ガソリンエンジンなどを生産している。2009年は、年間13万0247ユニットを出荷した。
TMUKのリチャード・ケンワーシィ常務は、「日本以外でハイブリッド車用エンジンを生産するのは初。我々は、この事実を誇りに思う」とコメントしている。
オーリスHSDはトヨタにとって、欧州初の現地生産ハイブリッド車。英国でのベース価格は、1万8950ポンド(約255万円)からと、『プリウス』のベース価格よりも、若干安い設定だ。