5月19日から21日までパシフィコ横浜で開催されている自動車技術展「人とクルマのテクノロジー展2010」には、外国企業の参加も数多い。そのなかで目立つのが、英国パビリオン内にあるロータス・エンジニアリングの展示だ。
ひとつはハイブリッドカー(HV)や電気自動車(EV)で問題となっている「静かすぎる」走りを解決するサウンドシステムで、オーディオメーカーのハーマンとの共同開発。2社の頭文字を取って「HALO SONIC」と名づけられている。
ハーマン/ベッカー・オートモーティブシステムズのアジア・パシフィック事業部ブルース・ピアス代表取締役によれば「ブランドイメージやドライビングの楽しさを大切にした」とのことで、V12、アメリカンV8、水平対向4気筒など8種類の音を選択可能。車外に流して注意を促すほか、車内で聞くこともできる。会場で体験可能なので、興味がある人は足を運んでみてほしい。
またロータスは、現在開発中のレンジエクステンダーEV(シリーズ式ハイブリッドカー)用1.2リットル3気筒+モーターのパワートレインも出品した。
ロータス・エンジニアリング東京事務所の堀博之ビジネス・ディベロップメント・マネージャは「レンジエクステンダー専用設計とすることでエネルギー効率を高め、コストを抑えたことが特徴です」と語った。現在いくつかのメーカーに採用を打診している最中だという。
レンジエクステンダーEVといえば、ユニバンスのブースには、先日形式指定を取得したばかりのスズキ『スイフト・プラグインハイブリッド(PHV)』用ギアボックスが置かれている。
同社で商品設計部第二商品設計グループに所属する西山康之氏は、「モーターは他社製で、ギアボックス部分を当社で開発しました。スイフトのボディに収まるコンパクトな作りでありながら、パーキングブレーキを内蔵していることが特徴となっています」と特徴を説明した。
同社はトランスミッションや4WD用トランスファーを主力としており、スズキのギアボックスも手がけてきた。またいすゞのハイブリッドトラック用ギアボックスも担当している。こうした経緯から白羽の矢が立ったのであろう。