ポルシェは12日、『911GT2RS』を発表した。『911GT2』をベースに、90psのパワーアップと70kgの軽量化を実施。ドイツ・ニュルブルクリンクでのラップタイムは、7分18秒と市販車最速の実力だ。
911GT2は、2007年9月のフランクフルトモーターショーでデビュー。530psのパワーをRR駆動方式と6速MTで操るという、乗り手を選ぶ911シリーズ最高峰モデルである。
今回、911GT2は、「RS」(ドイツ語でレーン・シュポルト=軽量化)の名を冠して再登場。3.6リットル水平対向6気筒ツインターボエンジンは、可変ジオメトリーターボなどに専用チューンを実施。その結果、最大出力は911GT2比で90psアップして、620psを獲得する。ポルシェによると、歴代市販モデルの中で、最強のスペックだという。それでいて燃費とCO2排出量は、約5%改善されている。
カーボンファイバー製フロントリップスポイラーやフロントフードなど、軽量化を徹底しているのも911GT2RSの特徴。バケットシートにはCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を使用し、室内側ドアハンドルはファブリックストラップに交換するこだわりようだ。
この結果、911GT2比でトータル70kgの軽量化を達成。車両重量は1370kgに抑えられ、パワーウェイトレシオは2.21kg/psと、セグメントトップレベルを実現する。
動力性能は0 - 100km/h加速3.5秒、最高速330km/hの実力。ポルシェは、「ドイツ・ニュルブルクリンクでのラップタイムは、7分18秒」と豪語する。これは、クライスラーのダッジ『バイパーSRT10 ACR』の7分22秒1、GMのシボレー『コルベットZR-1』の7分26秒4、日産『GT-R』が7分26秒70を上回る、市販車最速タイムだ。
もちろん、足回りも強化されており、専用サスペンションとPCCB(ポルシェ・コンポジット・セラミック・ブレーキ)を標準装備。PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)とPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメント)も専用チューン。スタビリティコントロールとトラクションコントロールは、個別にスイッチオフできる。
タイヤサイズは前245/35ZR19、後ろ325/30ZR19。ワイド化されたタイヤを収めるため、フロントフェンダーにはエクステンションが装着された。リアスポイラーは、10mm高い専用デザインだ。
室内はブラックを基本に、シート中央部やルーフライニング、ステアリングリムを赤でコーディネート。シフトレバーやハンドブレーキレバーは、赤いアルカンターラで仕上げられる。
911GT2RSは、8月25日に開幕するモスクワモーターショーでワールドプレミア。全世界で500台が限定発売される。欧州では9月から販売がスタートし、ドイツ価格は23万7578ユーロ(約2800万円)だ。