高級車に乗る男性は、より女性を惹きつける---。英国ウェールズ・インスティテュート大学カーディス校の研究結果によれば、こうしたことが言えそうだ。研究を行なったのは、同大学で人体科学を研究するマイケル・ダン博士。報告は『英国心理学ジャーナル』3月23日付電子版に掲載された。
まず博士は「男性は最初に女性の容姿に惹かれ、女性は男性の社会的地位に惹かれることは、長年にわたる既成概念。しかし女性が自ら高い地位を獲得できる現代社会では、何らかの変化があるのではないか?」と仮定した。
実験では21 - 40歳の男女120人の被験者に、同一人物の異性モデルが、タイプの異なる2台の車に乗っている写真を見せ、彼らの印象を収集・分析した。
写真に使用された車は、1台が銀のベントレー・コンティネンタルで、もう1台は赤のフォード・フィエスタ。視覚的に価格差が明白であることと、「高い社会的地位の人物」と「一般市民」を象徴するのに適切だったことが、車種選定の理由という。
その結果、男性被験者は、女性モデルがどちらの車に乗っていても、関心度はさほど変わらなかった。いっぽう、女性被験者は、同じ男性モデルでもベントレーに座っているときのほうが「魅力的である」と答える比率が高かった。博士の仮定を覆したかたちだった。
ダン博士は、「たとえ女性が自身で高収入や地位を獲得できるようになっても、男性の社会的地位に惹かれるという既成概念は変わっていない」と、結論づけている。
「車でモテ度が決まる」とは、一昔前の雑誌の見出しのようで、こうして書くだけで恥ずかしくなってくる。だが、今回の実験によると、少なくとも英国ではまだそれなりに有効のようである。
実際には、ベントレーに乗る男の性格も忘れてはいけないと警告するのは、筆者の嫉妬か。